独島はどっちのもの?韓国の方と話した夜
”貴方は独島はどっちのものだと思う?”
”独島”
こう表記されることに違和感を覚える日本人もいるだろう。日本の領土問題は最近始まった話ではない。
ある日いつものようにカウンターに立って仕事をしていた。
22時を回った頃、一名のお客さんが来た。着席を促しおしぼりとメニューを渡す。すると彼はおぼつかない日本語でこう言った。
「日本のウイスキーをロックで」と
彼は韓国の仁川から来たそうだ。
僕自身韓国の音楽をよく聞くので現地の方とお話しできるのはとても嬉しいですし、なによりバーで働こうと思った国際交流ができる。
白州と響を飲み干した後、チェイサーを飲みながら満足そうな顔をしていた。
僕と彼は英語が話せたのでお互い英語を用いて会話をしていた。
韓国の見所、おいしい食べ物、家族のこと、他にも沢山僕に話をしてくれた。
「君は大学で何を学んでいるんだい」と聞かれた。
僕は大学では貿易に関する事を学んでいるものの、日本史の授業も受講している。小さい頃から日本の歴史が大好きだった。
そういった事を彼に伝えた。するとこう聞かれた。
”独島はどっちのものだと思う?”
返答に困った。一つだけ皆さんに言っておきたいことがある。僕は韓国を嫌いだなんて一切思ってもないし、俗に右翼と呼ばれる愛国主義者でもない。
至って普通の日本人だ。
それゆえにこの質問にどう答えていいかわからなかった。
勝てば官軍負ければ賊軍
皆さんも聞いたことがあるだろうこの言葉。戦争で買った方が正しいということだ。
ただ、この領土問題については例外なのである。
日本の言い分も韓国の言い分も「昔からこの島は我々のものだ」の一点張りだ。
そんなことを考えた。と言っても脳内でパッパッと。時間にして数秒。そして僕は答えた。
「独島いや、竹島は日本のものだと思う」
と。しかし彼はこういった。
「独島は韓国のものだよ」
まあそうなるわな。
面と向かって「はい!あなたの国のものです!」なんていう人は少数だろう。
領土紛争においては、関係国どちらにも言い分があって、その主張に根拠があり片方が正しく、片方が間違っていることはほとんど存在しない。
竹島が日本のものと答えたものの、そう判断したのはあくまでも僕が小さい頃からそう習ったからだ。彼もそうだった。意見を述べる政府の人ならばもっと難しい言葉や資料を用いて議論するだろう。
とても心の中がもやもやしていた。
客観的に見たら一体どうなのだろうか。
「この問題は僕が議論するには難しすぎる。もっと知らないといけないのかもしれない」と彼に言った。
彼も全く一緒の意見を持っていた。ただあまりにも無知を露見した一言だった。
僕たちのものだといった所で何も変わらないし、島を保有する事によって得る利益や、資源の利権を争っているのだろう。
身近な問題だけど実は何も知らない。
ただ、日本のものだと言うだけ。ただ、韓国のものだというだけ。
日本史が提唱する「驚き」「違和感」「虚構」を出発点としてどのような学びへとつなげていくのがのぞましいか。そう考えさせられる日でした。
今日のカクテル「アラウンド・ザ・ワールド」
カクテル言葉は「冒険」